立命館大学情報理工学部メディア情報学科 田中弘美

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研究紹介

  • レオロジー物体の粘弾性パラメータ抽出

研究背景

リアリティの高い仮想空間を構築するためには,実世界に存在する様々な特性を有する柔軟物体をモデリングする必要がある。
また、実世界において理想的な粘弾性物体は極めて少なく,一般には,食品や生体組織などを含むレオロジー物体が多く存在する.

研究目的

本研究では,「触れて視る」ハプティックビジョン構想に基づきレオロジー特性を持つウェット物体のモデリングに必要な3 つの粘弾性パラメータを
ロボットの基本動作であるPush 動作のみを用いて,観測ベースで自動的に抽出する方法を提案する.

※レオロジーの説明

初期形状に対して (b) に示すように変形すると仮定する.
レオロジー物体とは, 図1(e)に示すように,外力を取り除くと変位が少し減少するだけで,元の形状には戻らない物体を示す。

手法

まず、ハプティックビジョンに基づき,ロボットハンドを用いて物体を強制的に変形させ,レオロジー物体の変形挙動を観測する。
つぎに、 得られた観測データからマルチフィジクス解析を用いて物体の変形特性を自動的に抽出する。

結果

・実験対象:パイ生地(小麦粉+水:加水率57%)
・重量  :250.0g
・初期形状:80mm × 80mm × 75mm

・挙動観測


・要素パラメータ推定結果


・要素シミュレーションモデルを用いる比較評価

(a) 降下速度SP0,降下量10mm


(b) 降下速度SP0,降下量15mm


(c) 降下速度SP2,降下量10mm


(d) 降下速度SP2,降下量15mm

メンバー

D3 植田 直樹

研究業績

  1. CVIM138-23、情報研報、2003.06、ポスター発表
  2. TVRSJ Vol.8 No.3、日本バーチャルリアリティ論文誌、 2003
  3. ICAT2003(International Conference on Artificial Reality and Telexistence)、2003.11、オーラル発表
  4. ICRA2004(International Conference on Robotics and Automation)、2004.02、オーラル発表